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JICAプロジェクト便り〜群馬の森の、これから〜


 2004年度から開始されたJICA「東部アマゾン森林保全、環境教育」プロジェクトに関する情報を紹介するコーナーです。

JICAプロジェクト便り「第一回」   2005年4月

 JICA東部アマゾン森林保全・環境教育プロジェクト
 チーフアドバイザー 土屋 真志(群馬県国際課)


 JICA東部アマゾン森林保全・環境教育プロジェクトで本年度計画している主要事業を紹介します。
(1)動物相のインベントリー調査
  東部アマゾンを代表するエミリオ・ゲルジ博物館の研究者により、群馬の森の原生林にどんな動物がいるのか約1年間かけて調査します。調査終了後は、専門家だけでなくビジター用のガイドブックも作成します。
(2)環境教育センター建設等
  多目的教室や図書館の機能を備えた環境教育センターの建設を予定しています。また、自然の中で遊びながら学べる場所にするため天然プールの改修も行います。周辺の小中学校関係者、住民からは大きな期待が寄せられています。
(3)ビジターセンター展示室の改修
  日本、移住、群馬県そして群馬の森の紹介に加えて、「森と水」をテーマにサンタバーバラ郡と群馬県の生活文化を比較しながら展示します。サンタバーバラ郡民にとっては「おらが展示室」になることを願っています。
(4)アグロフォレストリー技術普及検査室の整備
  アグロフォレストリー(森林農業)の栽培技術を普及するため、様々な機材を群馬の森に設置します。栄養診断や土壌検定などを行い普及活動を展開します。群馬県庁からも熱帯果樹、土壌の専門家を招く計画です。
(5)アマゾン・ネイチャーゲーム協会(仮称)の設立
  日本ネイチャーゲーム協会の三好直子専門家により、自然の中で遊びながら環境教育を行うネイチャーゲーム手法の普及を推進します。研修修了者を組織し、アマゾン・ネイチャーゲーム協会の設立を目指しています。


JICAプロジェクト便り「第2回」  2005年6月

 JICA東部アマゾン森林保全・環境教育プロジェクト
 チーフアドバイザー 土屋 真志(群馬県国際課)


 アマゾン群馬の森で展開されているJICA東部アマゾン森林保全・環境教育プロジェクトも開始から約1年5ヶ月が経過しました。
このプロジェクトは、アマゾン群馬の森を設置した県人会や群馬県等関係者皆様の志を踏まえつつ、東部アマゾン地域に熱帯林や地球環境の保全の取り組みを広めることを目的として開始しました。
県人会便りにもあるように、アマゾン群馬の森を訪れる地元の方々は飛躍的に増加の一途をたどっており、これまでのプロジェクトの活動を通じてサンタバーバラ郡、学校関係者及びパラ州民の方々に広く浸透してきていることを実感しています。最近では、ネイチャーゲーム・セミナーに参加したベレン市立エスコーラ・デ・ボスケ(森の学校)もスクールバスを使ってアマゾン群馬の森で野外授業を行っています。
一方、日本国内でも、在北伯群馬県人会に愛・地球博において世界で地球環境を保全する100の技術に贈られる「愛・地球賞」が県人会に授与されました。
苦労を重ねてアマゾン群馬の森を設置した関係者皆様の志と努力が、JICAの協力によって東部アマゾン地域及び日本国内でも花を咲かせたように感じています。


JICAプロジェクト便り「第3回」  2005年8月

JICA東部アマゾン森林保全・環境教育プロジェクト
業務調整兼アグロフォレストリー 池田 健太郎(群馬県国際課)


群馬の森でのアグロフォレストリーの普及について
◆ アグロフォレストリーっていったい何?
『樹木と農作物や家畜を組み合わせることによって、土地を有効に活用するシステム』
と言うことになります。
プロジェクトではそんなアグロフォレストリーシステムの技術開発・普及を活動の柱の一つとしています。

−活動1−アグロフォレストリーの技術開発を行う。
●アマゾン原産熱帯果樹園展示圃場を設置する。
2005年5月に50種類中35種類の植え付けが完了しました。残る15種類は現在苗を生産中です。今年度の雨季(12月〜)の植え付けを予定している。
●アグロフォレストリーシステムの実証圃場を設置する。
マホガニーマダラメイガ防除試験など4種類のアグロフォレストリー圃場の設置が完了しました。今後はこれらの実証圃場で得られたデータを普及していきます。

−活動2−アグロフォレストリーの農民への技術普及
●アグロフォレストリーシステムの技術研修を行う。
これまで熱帯果樹栽培講習会やマンジオカ栽培講習会などを実施しました。
●アグロフォレストリー技術普及センターの整備
群馬の森内ある一室に「群馬の森・アグロフォレストリー技術普及センター」を設置しました。東部アマゾン地域における技術普及の拠点として、土壌肥料・植物栄養分析、植物病原菌の分離・培養など、主に生産環境の整備に役立てていきます。

これから群馬の森は「アグロフォレストリー技術普及」の拠点としてますます発展します!


JICAプロジェクト便り「第4回」  2005年10月

JICA東部アマゾン森林保全・環境教育プロジェクト
短期専門家(林業) 高橋史彦(群馬県林業試験場)


JICA東部アマゾン森林保全環境教育プロジェクトは、環境教育やアグロフォレストリーなどの分野で様々な活動が行われているわけですが、なんと言っても森林が主体のプロジェクトであると考えています。
国際協力に携わっていると、「あなたは、環境と経済どちらを優先させるべきか。」もしくは、「環境と貧困対策どちらを優先させるべきか。」と問われることがあります。私は、「両方です。」と答えています。
森からの恩恵を受けながらも、その恩恵を繰り返し得る仕組みが出来ており、そして、森林は土壌、水、空気、生き物と人々の生活も守る。これが私の理想です。
それには、まずは、森林を育て、守り、利用する技術の開発が必要です。森林からの恩恵を得るためには、非常に長い時間を要します。それを補うのがアグロフォレストリーの技術であり、人々に森林の機能や資源として循環的に利用することの意義を深めてもらう手段として環境教育が期待されています。そして、それらの活動を群馬の森が支えていくわけです。



JICAプロジェクト便り「第5回」  2006年2月

JICA東部アマゾン森林保全・環境教育プロジェクト
チーフアドバイザー(林業) 高橋史彦(群馬県林業試験場)


2006年1月から、JICA東部アマゾン森林保全環境教育計画のチーフアドバイザーに着任いたしました。
 私は、プロジェクトの取り組みの中でアマゾン群馬の森とは、アマゾン地域において、開発から免れた質の高い森林を今後どのように人が係わっていくべきか、活用していくべきかのひとつの事例として地域に活用されることであると考えております。それは、環境教育の場でもあり、森林資源特に有用遺伝資源の保存でもあり、農業技術の向上でもあります。
この10年間で、「アマゾン群馬の森」の来訪者も大幅に増加し、「群馬の森」周辺地域では、「グンマ」で通じるようになったと聞きます。これも、県人会の皆様をはじめ関係の皆様の地道な活動の成果であると思います。
この1年は、3年間のプロジェクトの最後の年であり、「アマゾン群馬の森」にとっては、10年目の節目の年でもあります。そして、さらに、新たな次のステップへの橋渡しとしても重要な年になると思います。
 今後とも、関係の皆様のプロジェクトへのご指導、ご支援をよろしくお願いします。


JICAプロジェクト便り「第6回」  2006年4月

在北伯群馬県人会専務
アマゾン群馬の森管理責任者 宇田川 勇


アマゾン群馬の森の将来像

 アマゾン群馬の森は今年10年の記念すべき年を迎えます。これも全て故久保田富一郎県議、小寺群馬県知事を始めとする皆様方の暖かいご支援の賜と感謝申し上げます。
 アマゾン群馬の森は在北伯群馬県人会が、岡島博会長の強力なリーダーシップの元、運営をしてきました。しかし会員数わずかな県人会だけでは、その管理運営に人的にも資金的にも支障を来して来ました。
 2004年度から始まったJICA東部アマゾン森林保全・環境教育プロジェクトも来年1月をもって終了します。
今、早急に取り組まなければ成らないことは、このアマゾン群馬の森の10年後を見据えた長期的な視野に立ったプランを立案、行動に移すことです。こう言った状況の中で考えられている計画を紹介したいと思います。
 まず最初に、アマゾン群馬の森の所有者は県人会に変わりはないのですが、運営をするために、もっと広範囲な人達の力を結集するためにも、群馬県出身の移住者と言う枠に囚われない新しいNGO組織を作ることです。このNGO設立と平行して同時に取り組まなければ成らないのは、群馬の森の中で一番原生林として保存状態の良い約200haをブラジル国環境省IBMAの登録認可を受けてRPPN(民有地保護区)を取得することです。このRPPNは個人の所有地では有りますが、IBAMAの指導管理を受け、天然資源の保護、環境保全と調和した持続的利用を明確に歌い上げたものです。そうすることによってブラジルの連邦政府や州政府が持っている基金、また民間企業からの援助、助成を受けることが出来るように成ります。それとプロジェクトのカウンターパートであるSECTAMやEMBRAPA、MUSEUとの提携を維持することが出来る大きなメリットが有ります。
 アマゾン群馬の森、独自の収入源確保として、農産物、群馬の森グッズの販売、入場料金の徴収を開始しました。またアサイの植え付けを行い将来の収入源の一助として多いに役立ってくれるものと期待しています。またベレン市にある日系旅行社と提携して日本向けのツアーパックの販売を計画しています。こう言った事で運営経費の全てを賄えるとは考えていませんが、最大限の自助努力を続けて行きます。
 日本側においても、森の会を中心にアマゾン群馬の森への支援組織がチャリティーコンサートを開くなどして活発に募金活動を行っています。
 アマゾン群馬の森は学術的な研究の場所として、また環境教育の場、そして楽しい憩いの場として、これからも益々発展して行くための努力を惜しみなく続けて行きます。
 我々はこの掛け替えのない自然を、これから生まれてくる次の世代のためにより住みやすい地球として残して行かなければならない義務が有ります。最後にブラジルには子ども向けにこんなお話が有ります。それを紹介して終わりたいと思います。
 「ある日、森の中で山火事が起こりました。森に住む生き物たちは、それぞれ火を消そうと必死です。象さんは大きな鼻の中に水を一杯入れ、活きよい良くビューと消防車のように噴射します。その隣でハチドリがその翼を懸命に羽ばたいて、火を消そうとしています。それを見た象さんはなんだそんな事では火は消えないよと笑いました。しかしハチドリは言いました。象さん、例え小さな事でも自分に出来ることを一生懸命にやるだけですよと」。
 我々の活動もハチドリのように広大なアマゾンの中の小さな小さな森ですがこれからも懸命に活動を続けて行きます。引き続いて、皆様のご支援をお願い申し上げます。



JICAプロジェクト便り「第7回」  2006年10月

JICA東部アマゾン森林保全・環境教育プロジェクト
業務調整兼アグロフォレストリー 池田 健太郎(群馬県国際課)


プロジェクトGUNMA終了によせて

 私がベレン国際空港に降り立ったのは2004年1月18日でした。その時は、まさか自分が日本に帰る日がこんなに早く来るとは夢にも思っていませんでした。あれから3年。やり残したことは山のようにあるなかで、日本に帰るのは心苦しい次第です。
 私がプロジェクトに関わった中で、印象に残っているのは3回を数えた日伯交流植樹祭です。第1回は県人会の皆様やプロジェクトスタッフの奮闘のおかげで、無事開催することができました。2回目は群馬県議会議長、出納長などを向かえて開催できたことは、私にとって大変いい経験となりました。しかし、私が最も印象に残っているのは、プロジェクト主催ではなく、県人会・サンタバーバラ郡共催で開催された第3回です。環境に理解のある出資者を岡島会長、清水副会長が募り、宇田川専務理事がサンタバーバラ郡の協力を取り付けて開催された第3回目の植樹祭は、アマゾン群馬の森が新たな段階に入った事を証明する行事であると感じました。
 日本でできない多くの経験を積ませてもらったブラジルには心から感謝しています。最後に私がブラジルで心に残ったものを3つあげて皆さんとお別れしたいと思います。ブラジルで私の心を最も揺さぶったもの、それは・・・多様性を認めるブラジル人の寛大さ、故郷から離れたところで闘った日系人の思い、そしてその二つが合わさってできたアマゾン群馬の森、です。アマゾン群馬の森、それに関わった皆様、本当にありがとうございました。



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Last Up Date : 30/10/2006
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