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植林地の概要

 東南アジア、アフリカ大陸と並び、南米ブラジル・アマゾンは生物多様性に富んだ貴重な熱帯林を保有していますが、これまで無計画・無秩序な開発がなされ、熱帯林は減少傾向にありました。熱帯林の減少だけからではありませんが、こうした状況から生まれた言葉のひとつに「持続可能な開発」というのがあります。それは世界共通の課題であり、多くの国々でその課題に向けた取り組みがなされています。
 私たち在北伯群馬県人会・アマゾン群馬の森でも、取得した土地約540ヘクタールのうち、すでに切り開かれていた部分約140ヘクタールを利用して、「持続可能な開発」へ向けての実践活動をしています。それがこの植林試験地です。


植林試験地概要

面積 140ヘクタール
植林地の状況 ・マホガニー(アマゾン種とアフリカ種)とコショウの混合植林
・有用樹の混合植林

UFRA(アマゾン農村大学)によるマホガニーの害虫対策
・EMBRAPA(ブラジル農牧研究公社)によるアグロフォレストリー展示圃場

・EMBRAPA(ブラジル農牧研究公社)によるアマゾン原産熱帯果樹展示圃場
アサイ栽培試験圃場


植林実績

年度 植林樹種 写真 備考
1995年 マホガニー(アマゾン種)1,584本
コショウ 13,000本 2005年栽培終了
日伯修好百周年記念植樹
第一次森の会植樹団
1996年 マホガニー(アマゾン種)962本
マホガニー(アフリカ種)486本
コショウ 7,000本 2005年栽培終了
ビローラ 1,818本
アサイ 939本
ココヤシ 340本 2005年抜株
県人会員による植樹祭
1997年 コショウ 1,400本 2005年栽培終了 -
1998年 マホガニー(アフリカ種) 454本
パウ・ホーザ 93本
センター竣工記念植樹
第2次森の会植樹団
1999年 スマウマ 15本 第1回子ども緑の大使
2000年 マホガニー(アフリカ種) 46本 第2回子ども緑の大使
第3次森の会植樹団
2004年 38種類のブラジル産樹木
合計3200本
第一回日伯交流植樹祭
2004年 ブラジルマホガニーとアフリカ
マホガニー、トーナ
(オーストリア産)、クプアス
UFRA(アマゾン農村大学)大橋教授指導ブラジル産マホガニー害虫対策試験圃場
2005年 73種類のブラジル産樹木
合計5400本
第二回日伯交流植樹祭
2005年 50種類のアマゾン産熱帯果樹 EMBRAPA
アマゾン原産熱帯果樹展示圃場
2005年 天狗巣病対病性品種のクプアスとタペレバ、バナナ EMBRAPA
アグロフォレストリー展示圃場
2005年 4種類のアサイ アサイ栽培試験圃場


植林地状況報告

1996年  コショウ(カリムンダ種)は、この地が多雨地域であるにもかかわらず、順調に生育した。次年度の収穫量が期待される。
 アマゾンマホガニーの植林を実施してきたが、従来から言われている樹柱先端の芯食い虫「Hypsiphyla Grandella(Zeller)」による被害が多発した。浸透性殺虫剤の散布による防除と同時に、この害虫の抵抗性レースであるといわれるアフリカマホガニーの種子の早期導入を推進することにして、現在、ブラジル永大産業鰍ノ種子の斡旋を依頼しているところである。
 生育については、コショウとの混植林地であることもあり、再生林に試験的に植えた同種マホガニーと比較しても、数倍の生育がみられた。
また、試験的に植林されたアフリカマホガニーは、現在のところ害虫による被害は見られない。
1997年 アマゾンマホガニー
1995年に植林したアマゾンマホガニーの生育は、樹の胸高直径が平均7.5cmで、樹高はばらつきが見られるが、平均で10mであった。このばらつきの原因は、虫害により樹柱先端が枯渇し、枯渇下部から新梢が発達した樹があったことによる。
 また、植林地でない、再生林下の日陰の濃い場所にある樹体は胸高直径が3〜4cm、樹高が2〜4mで、コショウとの混植林地とのマホガニーと比較すると生育にかなりの違いが見られる。過去二年間の観察からも、マホガニー樹の生育環境に関していえる事は、「日照・肥料・雑草木などの要因に影響されやすい樹である」ということである。虫害についてはどちらの場所でも同様の被害があり、植林場所による被害は見られない。

アフリカマホガニー
1996年に植林したアフリカマホガニーは、9ヶ月目を迎えた。混植林地での胸高直径は平均9.6cm(8〜11cm)、樹高は平均7.4m(4〜11m)で、旺盛な生育を示した。また、現在においても病害虫による被害は確認されていない。このことからも、混植林地の植林樹種としてアフリカ原産種レース(kaya Anthoteca c. Dc)が良好であると考える。

コショウ
 コショウ(カリムンダ種)は、雨季の集中豪雨とともに異常乾燥の影響で、成育に異常をきたし衰弱がはげしく、97年度の収穫量は半減した。マホガニー樹との養分・水分の競合については、アマゾン種では特に見受けられないが、アフリカ種に隣接するコショウに衰弱が見られる。
1998年 アマゾンマホガニー
 アマゾンマホガニーの成育は樹幹胸高直径で6〜12cmの範囲にあり、樹高は6〜8mの範囲にあった。この成育状況はアフリカ産マホガニーと比較して緩慢である。

アフリカマホガニー
 成育は順調で、12月の測定では胸高直径12〜17cmの範囲で、樹高は10m前後であった。定植当初より観察していた虫害については、数本の樹幹先端部の枯が見られたが、数ヵ月後、新芽が出てきて伸長が見られるので、特に芯食い虫の被害は見受けられないが、今後の継続した観察が必要である。

コショウ
 混植林のコショウは定植して2年目を迎えたが、支柱の先端に成長枝が到達して、樹幹は三角錐を形成するにいたっている。12月の時期に驟雨があったこともあり、成育は旺盛で、果房の発達も順調である。アマゾンマホガニーと一緒に植えているコショウは、水分や養分ぼ競合は見受けられない。アフリカマホガニーとの混植コショウは、湿害からの回復が見受けられる。
 なお、本年度のコショウ収穫量については、両者とも98年度初頭の降雨の不調から、着果が不ぞろいで大幅な減収であった。
1999年 アマゾンマホガニー
 5年木で胸高直径が12cm、樹高が9m。4年木では胸高直径が11cm、樹高が8mとなった。若年木の頃に見られた虫害は、現時点においても観察されない。

アフリカマホガニー
 3年生木で胸高直径が18cm、樹高が14mとなった。虫害も観察されない。

コショウ
 1996年に植えた分は3年樹であることから、樹幹はほぼ完成し、今年度の収穫量もこの地域の平均に達した。このようなことから、コショウ・マホガニー樹の混植による集約的栽培は、経済効率がよい栽培法の一つとして、今後のコショウ収穫量の観察、マホガニーによる日陰程度によるコショウ収穫量への影響などを観察していく。
2000年 アフリカマホガニー
 胸高直径が22.1cm、樹高が15.1mで、前年に引き続き順調な成育を見せた。

アマゾンマホガニー
 6年生木の胸高直径は13.7cm、樹高は10.2m。5年生木の胸高直径は13.7cmで、樹高が9.5mであった。

コショウ
 コショウは4年生木で、一本の収穫量が3kg弱であった。マホガニーによる日陰、あるいは根茎での両者の成育競合は、見受けられない。
2005年 JICAプロジェクトが2年目に入りEMBRAPA, UFRA等の試験圃場の植え付けがほぼ完了した。


混植林試験地マホガニー成育調査

1997 1998 1999 2000 2001
胸高直径/樹高 胸高直径/樹高 胸高直径/樹高 胸高直径/樹高 胸高直径/樹高
アマゾンマホガニー(95) 7.5cm/7.0m 8.0cm/8.0m 12.0cm/9.0m 13.7cm/10.2m 15.9cm/10.8m
アマゾンマホガニー(96)    ― 6.0cm/5.0m 11.0cm/8.0m 13.7cm/9.5m 18.5cm/10.5m
アフリカマホガニー(96) 9.6cm/7.4m 15.0cm/10m 18.0cm/14m 22.1cm/15.1m 28.9cm/16.5m




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Last Up Date : 30/10/2005
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